▼介護保険制度のご紹介
介護保険の成立の過程と介護サービスを受けられるまでの経緯をみていきます。
医療とは違い、実際にサービスを受けられるまでには様々な手続が必要です。また、受けられるサービスの量については、各個人の介護の必要度に合わせて限度額が設定されていますので注意が必要です。
Q01. 目的
Q02. 保険者
Q03. 被保険者
Q04. 保険事故
Q05. 要介護認定の申請からサービス利用までの流れ
Q06. 介護サービスの費用の流れ
Q07. 介護報酬の基本的仕組み
Q01. 目的
平成12年4月に介護保険法が施行される以前は、高齢者介護は老人福祉、老人保健の異なる2つの制度からサービスが提供されていました。
このため、2つの制度間の調整や利用者本位のサービスの提供等に様々な問題がありました。介護保険はこのような問題の解決のために、福祉と医療にまたがって存在していた介護を分離独立させて独自の制度として確立できるように制定された保険制度です。
介護保険法が施行されたことで、日本の社会保険制度は医療保険と年金保険の2本柱の体制から介護保険を加えた3本柱の体制に変化したということがいえます。
Q02. 保険者
保険者については、介護サービスの地域性や市町村の老人福祉や老人保健事業の実績を考慮して、住民にもっとも身近な行政単位である特別区(23区)、市町村が保険者になります。
その上で、国、県、医療保険者、年金保険者が重層的に市区町村を支え合う制度になっています。
Q03. 被保険者
介護保険では一定の要件に該当する者は自動的に被保険者になります。ですから、保険加入については自由裁量は認められておらず、強制加入になります。
該当する要件の違いによって2種類に区別されます。
Q04.
保険事故
介護保険での保険事故とは、被保険者が「要介護状態」または「要介護となるおそれがある状態」(要支援状態)になる場合です。
被保険者に保険事故が発生した場合には、その自立した日常生活の支援を図る観点から、保健医療サービス・福祉サービスに要する費用が保険給付として支給されます。
保険事故の発生の有無は、保険者である市区町村が事前に認定(要介護認定・要支援認定)することになります。
状態区分
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身体の状態
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要支援
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(虚弱)
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日常生活の能力は基本的にあるが、入浴、衣服の脱着などで週数回の介護が必要
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要介護
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区分1(軽度)
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立ち上がりや歩行が不安定。衣服脱着、掃除などで毎日1回の介護が必要 |
区分2(中度)
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起き上がりも自力で困難。食事、排泄、入浴などで毎日1回の介護が必要 |
区分3(重度)
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起き上がり、寝返りが自力でできない。毎日2回の介護が必要 |
区分4(痴呆)
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日常生活の能力はかなり低下。意思疎通ができない人も、1日3〜4回の介護が必要 |
区分5(最重度)
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生活全般にわたり部分的又は全面的な介護に頼る。1日5回以上の介護が必要 |
Q05. 要介護認定の申請からサービス利用までの流れ
Q06. 介護サービスの費用の流れ
○基本的な費用の流れ
介護保険は、原則として市区町村から要介護または要支援の認定を受けた高齢者が、必要な介護サービスを利用し、その費用の1割を利用者として自己負担し、残りの9割が保険者からサービス事業者に支払われる仕組みです。
○介護報酬とは
介護サービスの費用には、サービスの種類ごとに厚生労働大臣が定める基準により算定します。
サービスの種類別に「訪問介護費」「訪問入浴介護費」などの名称が与えられていますが、一般的には「介護報酬」と呼ばれています。
Q07. 介護報酬の基本的仕組み
○居宅介護サービスの支給限度額
次のように、要介護度ランクに応じて支給限度額が設定されています。
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(1か月)
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要支援
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6,150単位
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要介護1 |
16,580単位
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要介護2 |
19,480単位
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要介護3 |
26,750単位
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要介護4 |
30,600単位
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要介護5 |
35,830単位
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○介護報酬の単位
介護保険制度の保険者は市区町村なので、地域の事情を考慮して運用されるのが前提になっています。
ですから、介護報酬も全国統一単価とはしないで、「円」ではなく「単位」で定められています。
そのため、単位を円に金額換算する際に、地域差を考慮に入れた5段階の「換算レート」が設定されているのです。
○介護報酬請求の流れ
介護報酬は、毎月、サービスを利用した高齢者ごとに請求します。
具体的には、サービス事業者が高齢者ごとにその月1ヶ月間に提供したサービスをすべて集計して、介護報酬明細に集計して国保連(国民健康保険団体連合会)に提出します。
提出先は、国保連のみで、提出方法は原則としてFDや電子送信とされています。
国保連は、翌月10日までに明細を受け取り、突合・審査をして内容が正当なら翌々月末日にサービス事業者に報酬を支払います。
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